暁星小学校 概要 2020


暁星小学校の校門には「困苦や欠乏に耐え 進んで鍛錬の道をえらぶ 気力のある少年以外は この門をくぐってはならない」という看板が掲げられている。この言葉こそ、暁星の教育を表している。男子校であること、キリスト教主義の効果が相まって、暁星の一貫教育を作り上げている。

♪ 鍛錬とキリスト教

男子の「競う」という特性を生かし、活気ある授業やアクティビティーを行っている一方、折に触れ、キリスト教主義の精神を子ども達に伝えている。長年チャプレンが小学校校長を務めた時期が続いていた。子どもたちは野球などのチーム競技をはじめとするクラブ活動に属し、あるいはサッカーや聖歌隊といった特別活動を通し、その中で競うこと、協力し合うことなどを身に着け、生涯の友情を育む。

♪ 校風

校風としては厳しく逞しく、そして優しい。共に競い合う中で培われる友情にも溢れ、男子特有の爽やかな風が吹く。彼らにとって競うことは、友達を蹴落として自分が上位に立とうというものでは決してない。課題や問題解決に向けて一緒に取り組み、一緒に難題を克服する仲間であり、同志なのだ。そして、暁星の子どもたちに与えられる課題は、いつも少しだけハードルが高い。それを共に乗り越えていく中で、互いに高め合っていく。大学併設校ではないため、学力至上主義の母親も確かに多いが、学校はいつも子どもの味方で、支配的な母親から子どもを守る立場を貫いている。

♪ 進学先

進学先としては医学部が多い。しかも現役合格率が高い。

<医学部現役合格率(インターエデュ:医学部医学科現役合格率ランキングより抜粋>
2019年進学 35.93% (現役合格者60/卒業生167)  全国1位
2020年進学 40.91% (現役合格者65/卒業生162)  全国2位

医学部進学者が多い理由は、一つに医者の家庭が多いことだ。面接で親の職業が問われることはないが、やはり子どもを医者にしたい家庭が暁星を目指すからだろう。友人達が医学部を目指すので、自然と「自分も医学部に」となる循環もある。また、学力をつけることにおいての授業の濃度は非常に高い。一切塾へ行かず、学校の授業と補講だけで東大理Ⅲに現役合格する生徒もいる。

♪ 学校教育の事例 ~英語教育~

暁星小学校の教育事例として、小学校の英語授業を紹介する。暁星小は早い時期から、外国語の授業をフランス語から英語に切り替えた。今は特別活動で希望者にフランス語の授業を行うのみである。学校の成り立ちを慮れば、どれほどの葛藤があったことだろう。しかし、時代をいち早く読み解き、潔く英語を取り入れたのだ。

小学校英語科に英語教授法TESOLの資格を持った教師がいる学校の指導はモデルケースとなるべき内容だ。英語担当の岡澤先生はペンシルバニア大学大学院でTESOL 取得。英語を母国語としない人に英語を教えるプロである。

<1年~3年>

週2コマ:ネイティブ+日本人のチィームティーチング(TT)
見出し語1000語を取得させる。単語としての返答でなく、文章として返って来るように1年生から指導し始めた。つまり、”What color do you like? “と聞かれたら、”Bule”ではなく”I like blue.”と返答させ、音の塊で使えるようにした。 2年生で文字指導を始める。フォニックスはこの段階では例外は教えず、ミニマムを教えて、混乱なく定着を図っている。

使用教材の『smile』は、1年生のときから多くの例文や単語が出て来る。文法の説明をするわけでもなく、子どもは理解しているのか不思議だが、通学している生徒に確認してみると意外と理解しているのに驚く。これがこの年齢の子ども達の特性でもあろう。言語の敏感期に母語と外国語の区別はない。与えれば、子どもはきちんと答えるのだ。私立小学校にありがちな「なんちゃって国際教育」とは明らかに一線を画す。

<4年~6年>

週2コマ:日本人の教師のみ
4年生以降は文法等の理屈が通じるので、あえて日本人教師のみが授業を行う。かなり高度な内容まで指導している。長文を与え、重箱の隅にはこだわらず、大意をつかむことを学ぶ。本当に大切な語学教育の姿だ。

習った英語を自宅のPCでネイティブ音声で復習できるシステムもちろんある。暁星の母親はことのほか教育熱心なので、自分の発音で子どもに教えかねない。日本人の発音による指導は余程のバイリンガルでない限りむしろ音声能力取得の妨げとなる。それを防ぐためにも有効であろう。

低学年では聞き分ける力を確立させながら、文章を塊として処理できる能力を育成し、中学年以降は大量の英語情報をスピード感を持ち全体把握できる能力を作りあげる。このような土台があれば、大学受験はもちろん、海外留学にも対応し得る。

暁星は大学受験を控える受験校である。しかし、受験のための英語力だけではない。暁星の生徒は医学部に進学する人が多く、研修病院を決めるマッチングテストでも英語が非常に重視される。最先進の医療を学ぶためにも英語力が必要なのだ。また、医療の技術はグローバルに交流する必然性があり、その土台を与えてくれる暁星英語の意味は大きい。

2020年4月15日 GLE幼・小受験チーム


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