田園調布雙葉小学校 概要 2020


首都圏に四谷、横浜、田園調布と3つの小学校を擁する雙葉学園。同じ雙葉、同じ校訓の下にありながら、校風はかなり異なる。取り澄ました外見でありながら、子どもたちは実に明るくのびのびしている四谷、虚飾を排し、「どうか私を全ての誘惑からお守りください」と祈る、修道院の如き横浜、温かく目が行き届き、謙虚さと気品を感じる田園調布。四谷、横浜は勉強、しつけに厳しいが、田園調布が最も大切にするのは「心」である。それはつまり、「人としての在り方や、人間教育、人として心豊かに、周りに喜ばれる性格(田園調布雙葉小学校、学校説明会でのお話より)」とのことである。独特の竹筒型教育によるものだろう。

♪12年間一貫教育
一貫教育を謳う学校は数多あれど、田雙ほど強力に施行されている学校はない。何しろ、入り口は幼稚園と小学校のみ、中高での募集は一切ない。入学すれば高校卒業まで、12年、15年の長い生活を、変わらぬ仲間と、同じ価値観の中で過ごす。そのため、「井の中の蛙」とも評される竹筒式。世俗から温室的に囲われているという指摘もある。世間知らずなお嬢様と言われるのも止むを得ない。ここでの閉鎖的時空間の中で長きに平穏でいるためには、それなりの処世術が重要になるはずだ。それが、田園調布雙葉の言う、「心」ということになる。

♪バランスと品の良さ
大きく特筆すべきものがない、ということが表すバランスの良さ。成金の派手さでない、謙虚さと奥ゆかしさを併せ持つ品性。根底に揺るがず根付く、「自分を差し出す」校訓の思想、そして田雙が何より大切にする家族の愛。声高に何かを主張しない、何かに偏向することのないバランスと品の良さがこの学校の特徴だ。かといって、決して修道女の地味さではない。神にだけではなく、人に愛されることの意味も知り、カメラを向けられれば無邪気に手を振り、明るくはしゃぐ。そうした華やかさも感じられる。

♪入試について
月齢順(低い順)で、一番月齢の高いグループは午後集合(12:50)となるので、月齢によっては11月1日の掛け持ちも可能。

・ペーパー
基本課題が中心だが、中高が進学実績に力を入れていることを鑑みると、ある程度の応用問題が出題される可能性も今後は考えられる。

・個別
田雙の入試で特徴的なもので、一人ずつ呼ばれて5種程度の課題を行う。課題ごとに各々の先生と1対1で向かい合って取り組む。言語課題、巧緻性、作業などがあるが、中でも特徴的なのは、言葉で伝える課題が多いこと。言葉の理解、事物説明、問題解決などで、年相応に自分の考えを持ち、豊富な語彙力、経験に基づいて、自分の言葉で相手に伝える力が求められる。日常生活の中からの出題だが、とくにお手伝いをしているかが試されるものが多い。その他、お話づくり、アメの分配とその理由説明などもよく出題されている

・親力
手間と時間の掛かる個別考査をこれだけ行うということは、合否決定要因としての比重は高い。丁寧な生活を積み重ねているか、豊富な経験をしているか、まさに日常の親の教育、「親力」が試される

・合否を決めるもの
この先少なくとも12年間、変わらぬ仲間たちとずっと上手くやっていける素養があることが最重視される。

・面接
どこの学校も、「片親で構いません」の建前の中、「お父様もお越しください」と明言する学校。両親揃わなくては、ご縁はむずかしいということ。質問でも、子どもに「お父さんは何が好き?」、「お母さんはどう思うかな?」、あるいは親にその逆を聞くことがよくある。「家族の枠
を非常に大切にする田雙であるからこその質問だ。付け焼刃では太刀打ちできない、本当の家族の絆が試される。

・母親の仕事について
「妨げない」との話が説明会である。ただしこれは、社会に貢献する女子を育てると謳う以上、本音が言い辛い結果の言葉の選択。意味としては、「お母さまは家庭を大切に」と同義なので、決して思い違ってはいけない。少なくとも、面接で仕事への情熱を全面的に表明すべきではない。責任ある立場のお母様も多いことと思うが、「低学年のうちは子ども中心」程度に留めておく。ここで言い争うことはあまりに不毛、言葉を選び尽くし、無難に面接を乗り切る方が賢明だ。

2020年5月6日 GLE幼・小受験チーム

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