モンテッソーリ教育では、原作相良敦子先生 漫画あべようこ氏の『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』のタイトル通り、ひとりでできる自立を大人がお手伝いしていきます。
子どもがひとりでできるお手伝い
お子様を「お手伝い」するには、大人がお子様にご家庭の「おてつだい」をさせてあげましょう。
九段の白百合学園幼稚園受験のことを頭に入れて少しお話します。
考査の中で、母子活動があります。お母様は、ご自分の試験と思いどのように対応したらよいかとご質問を毎年いただきます。『ママ、ひとりで・・・』のP.30、38、46にも出てまいりますが、お子様はひとりでやりたい思いと、大人と同じことをしたい思いがいっぱいです。お子さまが知りたいのは、その「やり方」です。お子様は「動き方」を知りたいのです。大人の様に見ながら聞きながらメモを取ったり、することはありません。それどころか、「いい?こうでしょう?こうやってね、そして…」などと解説しながらの動きは、聞くことが優先してしまい見る事ができません。お母様は動きを見せる時は、話さない。話す時は動かない。そして、動きはゆっくりと写真を撮る様に見せてあげましょう。一度、最後まで見せてあげますとお子様は全体の流れの手の動きをよく見る事ができます。
では、未就園児のお手伝いにはどんなものがあるでしょう。
- 洗濯物を外す(洗濯ばさみの扱い方)
- タオル等を畳む(同じ動きの繰り返し。ブティック畳みはしません)
- お玄関掃除(ほうきの持ち方。両手で柄を持ちましょう)
- テーブルを拭く(手の動き)
- お花のお水やり(じょうろの使い方)
などあげられますが、
- 手の洗い方(今年は特に、手の洗い方に気を付けましょう)
- ハンカチの使い方
- 鼻のかみ方
は、すぐにでもご一緒にできる事と思います。本の中にもありますが、お子様が「見てない…。」と、思う事がお有りだと思います。見てない時は、それを見せるタイミングが今ではないので、あっさり止めましょう。引き際が大切です。お子様は、必ず目で見ていなくても感じています。「あれ?ママやらないの?」とか「やりたい。」と仰るかもしれません。何も仰らなければ、本当に教えてあげるタイミングが今ではないのです。
母子活動
ご家庭の「おてつだい」をさせている保護者、そして「おてつだい」ができるお子様は、自立している方が多いです。そして、育児を楽しみ穏やかに過ごされているご様子が垣間見られます。そして、それをなさっている方は、母子活動でも普段通り落ち着いてお子様に提示できるのです。
受験考査の母子活動の時は
1.お母様もポケット或いはお膝の上にハンカチを用意しておきましょう。
お水のお仕事、のり貼り、絵を描くなど何がお題かは当日までわかりません。傘の巻き方を伝えることもありました。お花を描いて切って、ちょうちょになってお花のお母様の周りを飛びましょうということもありました。その場合はハンカチはポケットやバック内ということになりますね。
2.お隣のテーブルの方には聞こえない声の大きさでお子様への声掛け。
お声の大きさに気をつけましょう。
(昨年の白百合3保親子遊びで、「秋」をものを画用紙に描くテーマを選択した方は、小声で子どもに、「秋には梨があるね、リンゴもあるね、ブドウもあるね、葉っぱも落ちてくるね」等とヒントを与えたら、子どもがそれなりの絵を描きはじめたので安心したそうです)
3.動きは、ゆっくり見せましょう。
例えば、ハンカチやおりがみを折るという課題だったとします。
- 丁寧に子どもとお母様の間に広げる
- 下から両手で半分に長方形に折り一旦手を膝に置く
- 横型の長方形を反時計回りに(右側に座ると反時計回りの方が、お子様は良く見えます。)縦型にし、手を膝に置く。
- 両手で下から上に半分に折り正方形をつくる。
4.お子様も終了した後は、(製作やお絵かき等の場合)用具を元の通り子ども主体で整える。テーブルをある場所に戻す等の動作をさせることもあります。(昨年度 白百合3保)
5.手押し車を押させることもあります。(昨年度 白百合3保)
今のお子様を姿を見落とさず、見過ごさず、育児を楽しみながら受験準備してまいりましょう。
2020年9月10日
GLE(Global Leader Education)幼稚園受験・モンテッソーリ担当 Y.A.