その2:志望校はいつまでに決めるべきか
漠然と思い描いている学校のイメージと、学校へ実際に伺い、お話を伺って見えてくる学校の姿が「全然違った」ということは少なくありません。たとえ親が卒業生であっても、今現在の学校の姿を知っておくことも大切です。こうした第1期、学校を研究し始める時期と、最終期、志望校を1校に絞り込む時期、それぞれについての「いつまで」についてお伝えしてまいります。
1)学校研究期:年少までに
まずはいろいろな学校に足を運び、広く学校を知ることが大切です。これはいつ頃かというと、2つの理由で、年少の春にはスタートすべきと考えています。
理由その1)学校説明会の時期の重複
まずは、学校説明会の時期の問題です。4月後半、毎年横浜雙葉が先発でしょうか、連休明けから6月の半ばまでが、学校説明会のトップシーズンです。5月の2週目、3週目はいくつもの学校が競合してしまいます。つまり、年長の1年だけでは回り切れないということです。家族で手分けして行くしかないのですが、決定権のある人が同じ目、同じ耳で集めた情報でないと、なかなか正確な姿が見えず、受験校選定の最終判断を誤ってしまいかねません。そう思うと、余裕を持って年少の頃から3年くらいかけて学校説明会を回るべきだと考えます。
理由2)出席票の提出
説明会では、何かしらの「出席票」の提出を求められます。誰でもが学校内に入らないようにという防犯上の理由もあるとは思いますが、書かせるからには何かしら理由があると考えるべきです。
昨今の学校説明会は事前のWEB申し込み制であることが一般的になりました。申し込みをし、与えられた出席票をダウンロードして当日提出します。便利な世の中になり、バーコードがついています。誰が出席したか、管理が格段に楽になったことでしょう。そして、この説明会申し込みに際し、IDとPWを設定します。実はこれ、後々の願書提出、WEB出願でも同じものを使用します。出願の際に別ID,PWを設定することは可能です。しかし、ある人気校の校長先生から直接お伺いしたのですが、「これまでの説明会出席の記録が消えてしまうので、同じID、PWを使う方がいいでしょう」。つまり、この出願者は、説明会にいつから、何回来たのか、本命なのか抑えなのか。これを学校側が情報として、何かしらに活用しているということです。
それだけで合否が決まるとはもちろん申し上げませんが、たとえば最終でどちらを選ぶか、となったとき、何年も通い詰めてくれている家庭と、全くの一見さんでは、どちらが有利か明白です。学校は、「お断り」を非常に嫌います。しかも、面接での「御校が第一志望です」などという言葉に、これまで学校はどれほど裏切られてきたでしょう。第一志望であるという熱意、誠意は、行動で示すしかないのです。
2)最終決定期:年長の4月までに
幼稚園の年長組になる頃までがベストですが、最後の春の説明会前なので、とりあえずこの時期までに2~3校程度には絞っておき、学校説明会、合同説明会等で最終決定できればよいと思います。候補校のどこを見比べるかを明確にして説明会に参加するようにし、徹底的に迷いを払拭しておきましょう。夏になっても親がまだ迷っているようでは、つかみかけた合格を逃してしまいますよ。
学校選びについては、合格という目の前の目標だけでなく、子どもの今後に人生にとってとてつもなく大きなマターとなります。続編をどんどんお届けしてまいります。
以下、予定です。
<その3>通学範囲、共学別学、付属校進学校をどう考えるか
<その4>校風を見極める
<その5>子どもの未来像を描く
更新をお楽しみにお待ちくださいませ。
シリーズ「学校選びの基本」
- <その1> 志望校はいつまでに決めるべきか
- <その2> なぜ志望校を早く絞るべきなのか
- <その3> 通学範囲、共学別学、付属校進学校をどう考えるか(公開予定)
- <その4> 校風を見極める(公開予定)
- <その5> 子どもの未来像を描く(公開予定)